脳卒中とは、脳に酸素や栄養を送っている脳の血管が破けたり(脳内出血・くも膜下出血)、詰まったり(脳梗塞)して、血液が脳の先まで行かない状態や脳血管の一部が壊死する障害で、脳の働きに支障を生じることによって起こる脳血管障害です。 脳卒中の「卒」は「突然」、「中」は「あたる(倒れてしまう)」という意味があるので、脳卒中は、『脳が障害を受けて突然倒れてしまう』ことを示しています。 脳卒中の発作後は、後遺症が残らない場合もありますが、多くは何かしらの後遺症が残り、寝たきりなどになってしまうこともあります。 「要介護5」と認定された約46万人のうち、脳卒中が原因の人が約45%も占めています。 脳卒中が起きた後に、後遺症を減らしたり機能を回復させたりするためには、早くから適切なリハビリテーションを行なう事が大切になります。...
脳は、全身の様々な機能をコントロールする「司令塔」の役割を果たしています。 脳卒中になると、どのような障害が起こるのでしょうか? 患者さんに起こる障害の種類や程度は様々で、脳のどの部位がどのくらいの障害を受けたかによって違ってきます。 脳卒中で、脳の運動に関わる部位が障害されると、体の片側が動かせない、力が入らないという手足の麻痺が起こります。 通常は障害を受けた脳とは反対側の半身に症状が出るもので、右脳が傷害されると左半身が麻痺してしまいます。 そのほかの脳卒中の主な障害は、ろれつが回らない、言葉がもつれるなどの症状や、食べ物や飲み物が飲み込みにくくなったりします。 高次脳機能障害になると、日常的な動作ができなくなったり(失行)、見たり聞いたりしたものを認識できなくなったり(失認)、言葉が出てこなかったり理解できなくなったり(失語症)します。...
脳卒中になり、後遺症が残ってしまうと、患者さんの日常生活動作は大きく制限されてしまいます。 そんな後遺症を減らすため、脳に刺激を与えて機能を回復させる効果があると考えられている、脳卒中のリハビリテーションを行なうことが必要になります。 早期からリハビリテーションを開始し、他動的にでも手を動かし続けていると、手を動かす脳の部位が障害を受けて手が動かせなくなった場合にも、少しづつ機能が回復して動かせるようになってきます。 手を動かすという刺激を受け、脳の障害を受けた部位の周辺部分が、活性化をします。 すると、新しい神経のネットワークがつくられ、失われた機能が補われるます。 後遺症を克服するために、脳卒中のリハビリテーションを行なうためには、現実を冷静に受け止めて、患者さん本人だけでなく、家族全体で前向きに対処していくことが大切になります。...
脳卒中のリハビリテーションは、患者さんの状態に合わせて、3段階に分けて行なわれます。 脳卒中の発症から時期によって「急性期」「回復期」「維持期」にあったリハビリテーションを行ないます。 脳卒中の急性期は、発症直後から1?2週間ごろまでを指します。 脳卒中を発症して入院した医療機関で、治療と一緒に、「関節可動域訓練」「座位訓練」「嚥下訓練」「立位訓練」「排尿訓練」などを行ないます。 脳卒中の回復期は、発症後3?6ヶ月ごろまでを指します。 脳卒中のリハビリテーションは、リハビリ専門の医療機関や専門の病棟に移り、「理学療法」「作業療法」「言語聴覚療法」などを集中的にに行ないます。 脳卒中の維持期は、退院にて自宅に戻ってからの時期なので、脳卒中のリハビリテーションも、自宅で行なったり、通院したりして、これまでのリハビリテーションで回復した機能を維持する目的で行なわれます。...
脳卒中の発症直後は、機能が一時的に最低レベルまで落ち込みます。 脳卒中の急性期にあたるこの時期は、全身状態が不安定なので、安静が第一とされていました。 しかし今は、リハビリテーションは可能な限り早くから始めた方が良いとされています。 患者さんを寝かせたままの状態で動かさずにいると、急激に体の機能が低下してしまうためです。 この状態を「廃用症候群」といい、「床ずれ」や「知的能力の低下」「心配機能の低下」などがあります。 脳卒中を起こした人は、寝たまま体を動かさずにいると、麻痺した側だけでなく、麻痺のない側にも筋力低下が起こってしまいます。 後遺症を最小限に留めるためにも少しでも早くからリハビリテーションを行なう事が大切になります。 全身状態が安定していれば、リハビリテーションは、入院した当日から行なわれます。 また、脳卒中の回復期に行なわれるリハビリテーションは、「高密度・高強度」で集中的に行い、最大限の回復を目指します。 そして、脳卒中の維持期では、体を動かす習慣を継続するようにすることで回復した機能を維持できるようになります。...